未送信めーる
#11 笑えない初詣
冬休みは本当にタイクツ。
受験も目の前だけど,私にはあまり関係ない。
私と明乃・タケ・恵は四人で同じ高校を受験することにした。
一番学力の低いタケと明乃に合わせた為,その高校は偏差値もたいして高くない。
言っちゃえば,私の学力なら余裕で入れる。
恵も余裕だ。
だから,今頃切羽詰って勉強しなくても平気ってワケ。
お風呂上りに髪を乾かしていると,ケータイが鳴った。
送信者は明乃。
【明日楽しみだねー★着物用意できた??】
そう,明日はいつもの四人で,近所の神社に初詣に行くのだ。
【もちろん!楽しみだねっ☆】
すぐに返事を返して,早めに眠りについた。
-次の日
「おはようタケ,恵。あけましておめでとー!」
待ち合わせの場所に行くと,男は既に着いていた。
「おーあけおめ」
「今年もよろしくな!アキは??」
「寝坊だって。明乃は時間にルーズだから」
そのとき。
「おっはよー!あけおめことよろ★」
明乃登場。
「遅刻しといて詫びもナシかよ」
不機嫌の恵。
「まあいいじゃん。さ,行こっか★」
歩き出そうとした私たちを,ひとつの声が止めた。
「あっ。待った,その前に」
タケだった。
「ちょっと言っときたいコトがあんだよね」
「何??急に改まって…」
次の瞬間,
私の笑顔は,
一瞬で崩れた。