未送信めーる

#02 秘密の恋心


お昼休み。



廊下で明乃としゃべっていると,イキナリ明乃が声をあげた。


「見て!梓!!」


明乃の目線の方に目を向けると,そこには――


一組のカップル。


仲良さそうに廊下を歩いていく。


完璧に二人の世界だ。


こーゆーのを世間では『バカップル』って言うんだろうな。


「いいなぁー。羨ましいー!」



バカップルをガン見しながら明乃が言った。


「そう??明乃は好きな人いないの??」


「いないよー。まだこの学校の男子と仲良くなってないし」


「明乃は可愛いから彼氏くらいすぐ出来るよ」


「えー梓のほうがモテるぢゃんー」


「は??アタシ男子にモテた記憶ないんですけど」


「だっていつも男子に囲まれてるぢゃん!」



明乃は天然だ。


確かに私は男子と一緒にいることが少なくない。


だけど会話の内容と言ったら

『一組の池田って彼氏いる??』

とか

『彼女と喧嘩しちゃったんだけど,どうすればいい??』

とか

そんなんばっか。


極めつけは

『サンキュー!お前女っぽくないからなんでも相談できるんだよなー』


だよ!?
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