いちごケーキ
一章

新しいクラス

「きゃー!一緒じゃん☆」
「別れちゃったねぇ…」
色んな声が飛び交う中庭。
今日から中学3年生になる、山本愛(やまもとあい)。
学年一目立つ、ミルクティーみたいな髪の色した女の子。
うるさい声に耳をふさいでいた。
「愛〜?」
後ろから愛を呼ぶ声がした。
親友の狭山美穂だった。
美穂は茶髪でいかつい女の子。
でも根はいいこだ。
「うるさいっつーの。」

「仕方ないよ〜。クラス変えなんだしさ…。」
「あたしのクラスは?」
「愛はねー、美穂と一緒だよ〜!」
「まじで?」
テンションのあがる愛。
「はやく行こ!」
美穂は愛の手を引いて階段を上がっていった。

3年5組と書かれたプレートがある教室に入る二人。
「えー?!嘘でしょ〜?」
またうるさい声が飛び交う。
「うっぜ〜!」
愛は言った。
「ほんっとうるさいよね。」
「耳痛いんだけど。」
「うわっ…みんなこっち見てるよ?」
学年一目立つ愛達が同じクラスだったことに気付き、恐れた様子の教室だった。
「あー、こういう視線だるい。」
愛は言った。
「分かるよ〜…。見すぎだからね(笑)」
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