いちごケーキ
「優太っ!」
優太を呼ぶ声がした。
あたしは前を見た。
優太とあの女の姿があった。
優太も女もあたしに気付いてない。
「おまたせっ!」
「おっせーよー?」
女は優太にお似合いって感じのおとなしめな子。
あたしはバレないようにグラサンをかけた。
「ごめんね?」
「おう。」
「てかさ、いつになったら付き合ってくれる?」
「んー、あとちょっと。」
優太の言葉に耳を疑った。
あとちょっと…?
あたしはその言葉を聞いた瞬間、走って家まで帰ってしまった。
ちょっとって何?
あとちょっとであたしたち終わっちゃうの?
別れるの?
まさかね、違うよね?
聞き違いだよね?
あたしは頭にそのことしかなかった。


つぎのひ、寝れなくて学校に行った。
「美穂は?」
あたしは教室に姿がない、美穂のことを海に聞いた。
「休み。…てか来んの遅すぎな?」
「寝坊だよ寝坊!」
あたしの視界に真也の姿が入った。
あたしの視線に気付いたのか、海は言った。
「真也…理由分かった。」
「何?」
あたしは席に座り、話しに耳を傾けた。
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