いちごケーキ
「そのうち、その子好きになった。」
「うん。もう分かった。」どうせ別れるなら、最低な形で。
もう絶対あたしのことなんか、好きになんない形で。
優しく別れたら、辛いもん。
こんな奴と付き合わなきゃ良かったって思われるくらい、冷たく終わらなきゃ。
「ごめんな?」
「もういいんだけど?あたしもねー、ちょうど良かったんだ…!」
絶対声震えてる。
「気になる人いたしさ?正直、優太とは合わなかったよ…(笑)
キャラが違うじゃん?優太もおとなしめな子が似合うと思うし?
あたしも、もっとチャラけた奴が好きなんだよね。だからいいじゃん…?
こんな真剣な恋愛とか無理だったし?あたしもそれなりに遊びたいしさ…!」
「最低だな…。」
あたしが欲しかった言葉。
「数ヵ月無駄だった。愛、最低。」
「早く帰って!最低なんは分かってんの…!」
「もー、連絡してくんな。」
優太は喫茶店を出ていった。
「ぐす…。」
あたしは泣いてしまった。
ほらね?楽じゃん。
優しい言葉かけられるよりも、最低って思われた方がいいじゃん。
けど…自分の気持ちに嘘つくのって、何でこんな辛いの…?
あたしはずっと泣いてた。
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