いちごケーキ
「愛っ…!」
息を切らした海が走ってきた。
「…海。」
「なぁ、何で嘘ついてんだよ。」
「へ?何で分かるの?」
「帰るときのお前の泣きそうな顔見たら分かるし。」
「…海…」
「ホラ。」
海があたしに渡したのは、“いちごケーキ”。
「何でいちごケーキ?」
「食うと元気になる。」
「バカ?」
「俺の大好物。バカにすんな!」
「ありがと…。」
海の優しさが心に染みた。
「美味い?」
「美味しいよ!」
「良かったな。」
海は笑ってた。
「元気出たよ?」
「まじで?まじで?」
「まじで。まじで。」
「そっか…。
じゃあまた明日学校でな?」
「ありがとね!」
海はピースして喫茶店を出ていった。
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