いちごケーキ
「あたし…海好きなんだ。」
別れる前、優梨子が言った。
「ごめん。」
海はその場から去って行った。
急いでセサミのお店に行く。
時間がかかって選んだのは、エルモのぬいぐるみ。
海は一人でにやけた。


「遅いなぁ〜…」
あたしは、何回もメールの問い合わせをする。
<ブーッブーッブーッ…>
急いで携帯を開く。
『遅くなってごめん。
今どこ?』
『ハリウッドドリームの入り口付近』
『動くなよ!』
『は〜い』
テンションが上がるあたし。
もうすぐ会えるっ!
うきうきする!
「愛っ…!」
息を切らした海が走ってきた。
「海〜…!」
泣きそうなあたし。
「何で泣きそうなんだよ?」
海が焦って聞く。
「遅いんだもん…。」
「ごめんな…?」
海は真剣な顔で優しく謝った。
きゅんてなるあたし。
ヤキモチ妬きまくりだったし…。
安心したぁ〜…!
「今何時?」
海が聞く。
「7時10分。」
「間に合ったぁ〜!
こっち来て?」
海はあたしの手を引っ張って歩いた。
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