addiction to you~想いが繋げる恋心~


そして、現代に至る。


彗は今だに星の墓石にいた。


「もう行くね。大好きだよ、星」


静かにその場を離れた。


涙は見せない。


《彗》


誰かが彗を呼ぶ声がして振り返る。


だが、そこには誰も居ない。


あるのは星の墓石だけ。


「…星」

《ありがとう、頑張ってね》


また声が聞こえた。


その声はきっと彼女の…


彗は静かに微笑む。


「うん。頑張るよ」


再び聞こえるとは思わなかった彼女の声。


大好きな星。






< 113 / 274 >

この作品をシェア

pagetop