addiction to you~想いが繋げる恋心~
創り主に捨てられたうえ、データ障害による記憶消失。
名前以外覚えていないという状況。
クラウンは静かに立ち上がった。
そして、玄関へと向う。
外はまだ雨が降っている。
「何処行く気だ!」
「不要ナ存在ノ俺ハ誰カラモ必要トサレテイナイ。ダカラ壊レテモイイ」
誰からも必要とされない苦しみ。
その苦しみを此処にいる者は知っている。
だからこそ、クラウンの事が気になってしまう。
「俺等にはお前が必要だ」
「必要?」
周りにいる者は皆頷いた。
此処で放っておけばクラウンのデータは完全に消失し、本当に必要とされないガラクタになってしまう。
そんな事此処にいる者達には出来ない。