addiction to you~想いが繋げる恋心~
「あいつ等とは両親ですか?」
「アンタに教える必要何かない…けど、まぁ教えてやると。父と母と呼び難い両親さ」
血の繋がりがあるのに。
如何して呼び難いのだろう。
姫にはそれが判らない。
「ま、もういないけどな」
「え…」
「死んだんだ」
両親がいない。
姫と同じ。
だけど、悲しそうには見えなかった。
むしろ嬉しそうに見える。
「俺の父は極道の頭で取引に失敗しあっけなく死亡。頭を失くして組は攻め入られ母も組の者も全員死んだ。だけど、俺達は出掛けていて助かった」
人の死。
姫が大嫌いなもの。
沢山の人を一気に失って如何して平気でいられるのだろう。
「何話してんだ…俺は。忘れな、一般人が関わる事じゃねー」
「…達と言う事は他にも誰かが助かった、と言う事でしょうか」
俯いたまま姫は言う。