addiction to you~想いが繋げる恋心~


真白は静かに立ち上がった。


ゆっくりとドアへ向い歩き出す。


「まだ傷が!」

「奴等が来たらアンタも殺されるかもしれない。だから、犠牲になるのは俺だけで十分だ」


切なく悲しく笑った。


誰かを護る為に自分の命を捨てる。


護られてばかりの姫にはそれが凄い事に見えた。


護られて失い続けた。


大切なモノを何度も。


「とんでもないエゴですね」


突然一人の女性が姿を現した。


その女性の顔を見て驚く顔をする真白。


「何で…此処に…」

「君が何処にいるかなど大体判ります。ほら、帰りますよ」


差し出された手を受け取らず真白は下を俯いていた。








< 187 / 274 >

この作品をシェア

pagetop