addiction to you~想いが繋げる恋心~
「帰りますよ」
それでも真白は手を受け取らない。
素早く右手が動かされた。
その手はまっすぐ真白に向う。
叩かれる、そう思い目を閉じたが痛みがない。
あるのは優しく頭を撫でられる感触だけ。
驚いて目を開けると女性は静かに微笑んでいた。
「一人で背負うのは止めなさい。もう君は独りじゃないんですから」
ゆっくりと真白を抱きしめた。
その姿に自分の母親が重なる姫。
もういない両親。
気持ちが込み上げる。
「ご迷惑お掛けしました。今度ハクと遊んであげて下さいね」
「″ハク″?」
「白はハクとも読めるでしょう。だから、素直じゃない時はハクと呼んでるんです」
その微笑みは温かかった。
本当の子供に対する笑顔みたいで。
「姫もハクと呼んでみて下さい」
「何で…自分の名前を」