addiction to you~想いが繋げる恋心~
緑の呟きに誰かがそう返す。
その方向を見るとそこにはレンがいた。
「レン…」
「俺は認めたくないが一番お前が姫に近いと思ってた」
好きな人は別と人と近い。
それは辛い事。
だけど、レンはそれを認めた。
「姫にとってお前は特別な存在になっている。それだけは覚えておけ」
それだけ言って去ろうとした。
「レン!お前だって桜の事好きなんだろ!なのに、何でそんな事」
「姫が幸せならそれで良いんだ。俺には姫を幸せにしてやれないから」
その表情は切なく悲しいものだった。
何も言えなくなってしまう。
好きな人の幸せを願い身を引く。
そんな普通は覚悟出来ない。
「アイツ…強いね」
「あぁ…俺達より何倍も強い心を持ってる」
緑と彗はそんなレンの背中を見つめていた。