addiction to you~想いが繋げる恋心~
それでもソレを口にした女の表情は揺るがない。
「女一人でファミリーを潰しに来たとか頭大丈夫?」
「至って正常です。私はあの子達の未来を護る為なら手を汚す事を躊躇いませんから」
そう言い女は静かに微笑んだ。
彼には女がとても正常には見えなかった。
誰かの為に手を汚すなど彼が生きてきた人生では見た事がないからだ。
「で、何処を潰しに来たの?」
「貴方が良くご存知のファミリーですよ」
その言葉には何処か棘があった。
良く知っているファミリーなど一つだけ。
「あんたまさか…」
「察しが良いですね。シャルクファミリーの次期ボスさん」
「…あはは…潰してくれるなら好都合だよ。俺はボスなんかになりたくないしさ」
「えぇ、知っていますよ。だからこうして貴方の前にいるのですから」