大切な想い
「ねえ、ねえ・・・」
千里がアタシの服を引っ張る。
「始業式面倒臭いよねー」
「ホントホント。なんでこんな式でないといけないんだし・・・」
「サボっちゃいます?」
「そうだね!別に出てなくても平気だし」
こっそり教室から抜け出して屋上へ向かう。
「貸切ー!!」
「ちょっ・・・千里!大声だしたらバレるかもしんないって・・・」
「それはそん時の話だよ!・・・で、聞きたい事あるんだけど・・・」
もったいぶりながら言う千里。
「何何? 早く言ってよー!」
「・・・あのね。楠本いんじゃん?」
「それがどうしたの?」
「いや。なんか告るとか言ってたじゃん。
それでマジ告ったのかなーって思ってさ」
そう。
アタシが楠本クンを好きになったのは
中1の2学期。
部活が終わって、アタシは友達と話していた。
その時、楠本クンも友達と話をしていて
周りのコとは比べ物にならないくらいかっこよくて。
アタシはすぐに惚れてしまったんだ。
そして2学期にメールし合うようになり
どんどん仲良くなっていった。
3学期に入り、
友達関係のままだと嫌だと思い
千里にいつか告るよ!と言ったのだ。