大切な想い
「―あ。楠本クン!愁平!こっちこっち―!」

・・・マジですか!?
千里の予感的中しちゃったよ・・・。


「よっ智香。お前3組だったんだ?」
「う、うん・・・。楠本クン1組だったんだね」

なんか照れて上手く話せないんですけど・・・。

「―ていうか楠本とだったんだ!
 1組としか言ってなかったから誰かと思ったよ」

千里がアタシが照れてるのに気づいたのか
助け舟をだしてくれる。

「何。理恵言ってなかったんだ?」


―――理恵。

楠本クンが他の女のコの名前
呼び捨てしてるの、はじめて聞いた・・・。

相手はアタシの親友なのに。
大切な友達なのに・・・。

アタシと楠本クンが仲良くなる前から
理恵は仲良かったのかな?
もしかして理恵の今のターゲットって
楠本クン、なのかな・・・?


千里と楠本クンが話してる言葉も
何も聞こえない。
ただ、頭の中で回転してるのは
さっき楠本クンが言った

『理恵』

って言葉だけ。
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