十夜
「ふぅ…。ごめんね、こんな話しちゃって…。」

藤原はこの部屋の気まずい空気を吸い込むかのように深呼吸をした。


「ううん。聡さんもつらいね。あたしでよければ、いつでも相談のるから」

コレがあたしと藤原が繋がっているもう1つの理由。
簡単な気持ちでコノ言葉を発したわけではない。
ただ…ただ少しでも藤原の力になれれば…。
そう思っていたから。
どこかあたしと似ているような気がするんだ。

「お金。今日はコレで勘弁。」

藤原はスーツのポケットから数枚の1万円札を指しだす。

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