十夜

「おめでとう…。よかったね」

唇を受け入れながら会話をするのは久しぶり。
いつもはそんなことしない。
とにかく、あたしのから身体を夢中になって貪りついていて欲しいから。
しかも話題なんてないしね。
しゃべりかけてきても、いつもしかと。


「…ありがとう。」


それから会話はせず、再び演じ続けた。

こんなの…。
満たされるわけ無い。
さっきまでの同情とは裏腹に男を見下す自分。
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