十夜

ある程度のことが終わるとミネラルウォーターを口にしながら竹下が桔平に喋りかける。

「お前由貴ちゃん、めっちゃ上手だぞ??そこらへんの女と比べものになんねェよ??いいの??」

あたしは聞こえないフリをしていた。

この話にのるべきではない。
そんなことぐらい察しがつく。
あたし自身、知りたかった。
なぜ彼があたしに触れずに見ているだけなのか…。
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