十夜
でも、過去の記憶よりこれからの未来の可能性が勝った。

「ねぇ!!」

薄暗い廊下をパタパタと歩く彼の後姿に声をかける。

振り返ったその姿は、薄暗くても綺麗な顔立ちがはっきりと分かった。

「メアド、教えてよ。」

「いいっすよ。」

そういってあたしが差し出した携帯に自分のメアドを打ち込む彼。
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