塔の姫
窓の外を覗くと、空からは真っ白な雪が降っていました。




姫は手を伸ばし雪を掴もうとしました。




しかし、いくら掴んでも雪は姫の手の中で溶け、消えてゆきました。




姫は悲しそうに己の手を見つめました。




「私も、消えてしまいたい…」




姫は窓の外に向かって大きく両手を伸ばしました。
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