塔の姫
『何故、自身の死を願う?お前は一体何をした?』




姫は顔を上げ、虚ろな瞳でカラス見つめました。




「世界の破滅を願ってしまいました…私が死なない限り、この雪は止まらない。世界が白く塗り潰されてしまう。けれど、誰も私を殺せない。」




姫は再び、俯きました。




カラスは少し考えると、姫に言いました。




『我がお前を殺してやろうか?』
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