CURODO

Let's 宝石強盗

「痛っ!!」
 その声に反応したのかパッと店の明かりがついてサイレンがやかましく鳴り響く。
なんてこった!!
「もう、何なのよ!痛いじゃない!!」
「ご、ごめんっ。」
 思わず謝ってしまった。見ると声の主は小学生くらいの女の子だった。目がパッチリとしていて結構可愛い。ちなみに言っておくが、俺にそんな趣味はない。
「ところで・・・あなた、宝石泥棒ってやつ?」
「え・・・。」
うわ、しまった、顔見られた!!やばい、どうしよう。頭の中が混乱して冷汗が背中にじっとりとにじんでいくのが分かった。
 こうなったら・・・。
 俺はホルダーにしまってあったナイフを抜き出して握りしめた。遠くでパトカーのサイレンが鳴っている。警察だ。急いで逃げなきゃ・・・。
 彼女が俺を見つめている。濁りのない瞳が大きく見開かれている。
 流石に、殺すことは出来ない。俺はこのナイフで何をしようとしてたんだ?首を左右に強く振り、ナイフをしまった。
「ちょっと失礼!」
「え」
 俺は彼女が何か言う前に強引に抱きかかえた。
「ちょ、ちょっと!」
 俺は無我夢中で走った。
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