メガネ×愛【短】
カエデちゃん
「ほら、家。着いたよ」
「先輩ッ・・・ぃぃぃ・・・・」
「泣かないでよっ・・・俺が諦めつかなくなるから」
楓の家の前で大泣きする藍音を慰める。
慰めっていうか・・・。
最後だからって、抱きしめる。
強く・・・。
「じゃーね。また学校で。今度あいつに泣かされたら言ってね♪」
「ッッ・・・はぃ・・・」
「んじゃ・・・さよなら・・・」
俺は藍音に背を向けて逆方向へ歩き出した。
もう、俺のもとには来ないんだ・・・。
「っし、涙なんて流さないッ。カエデちゃんに・・・」
謝る・・・?
謝るんだよ。
私が・・・・カエデちゃんが一番大切なんだって。
インターホンをゆっくりと押す。
『ピンポーンッ・・・・カチャン。』
【はい・・・・】
「カエデちゃん?藍音だけど」
【・・・・入れ】
冷たい。
でも・・・・ちゃんと伝えるんだ・・・・。