-月の果てreplay story-


イノは、ずずっと鼻をすすりながら


「いいえ」

と答えた。



────…


その瞬間の頭の中はキルトは、

真っ白になった。



「ソフィ様、お一人でおらんくなったんです」


イノの瞳が更に潤む、



「………マズいな、」


トラキアが眉をしかめる。



「イノ、他に居なくなった奴は?」

「おらへんよ」



「あ、でも…」

イノは、記憶を辿るように続ける。



「ソフィ様がおらへんの気付いたらメイドはんもどっか行ってもーた。あとは、そのメイドはんをジェオルドが追い掛けて行って…」


「そういえば…」

イノは、ハッとして


「運転手…や、そうや。アイツもおらんくなってん!ジェオルドが、怪しいやつ捕まえようとしたけど逃げられた…って」
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