-月の果てreplay story-


─…な、んで───…?



「ソフィ…、」

キルトの弱々しい声が消えそうになる。



「しっかりしろ、王子!」


トラキアが、ガッとキルトの肩を掴む。




「これから闘うんだ!ソフィを、取り返すために──…っ!!」



ふっと、キルトの脳裏に


ラクロアを愛でるソフィの姿がよぎる─…



ソフィ──…、ソフィ─…


ソフィ───…



君だけ、俺には……



「ソフィがどうなってもいいのかっ!?」


トラキアの怒鳴り声が酒瓶を震わす。



君だけなんだ───…


キルトは、

強いまなざしをトラキアへ向けた。
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