-月の果てreplay story-


「俺やデカルト、そして王であるシルベリアの答えも同じだ。王子は、絶対にソフィが関わると冷静になれない。だから、ここにいろって言ってるんだ」



………冷静になんて、

なれるハズがない───…



「ソフィの事は、俺たちでなんとかする。任せてくれ」



………任せられるか、

ソフィは俺が護るんだ。


キルトは、むすっとして

トラキアを睨み付けた。



「──…じゃあ、行くか。デカルト」


トラキアは、そう言うと

牢獄の出口へと足を向けた。


「そうですね」


デカルトもそう言うと

トラキアの後に続いた。




「───…ちょっ、待て!」


キルトが慌てて声を掛けると

トラキアは振り返り、


「みんなは、王子に生きていて欲しいと思ってる」

とだけ言った。



その言葉に唖然としたキルトは、

閉じていく重い扉にも何も言えなかった。
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