-月の果てreplay story-
───…牢獄から出て少したった頃に
デカルトは、トラキアに声を掛けた。
「本当に、これで良かったのか?」
トラキアは、振り向かずに
「───…あぁ、これでいい」
と言った。
「……そうか、」
とデカルトは瞳を伏せてから
「それにしても驚いたな、お前とダネスにそんな関係性があったなんて..」
と軽い口調で言った。
「……言う必要もなかったろ?」
とトラキアは、
ぶっきらぼうにそう言った。
「お前はどうだ?」
「────…何が?」
デカルトは
トラキアを試すように微笑んで
「育ての父を、殺せるか──…?」
と言った。
その言葉にトラキアは、
酷く不安な表情をして振り返った。