-月の果てreplay story-


国民は、それでも納得がいかなさそうな

雰囲気を漂わせていた。



───…この目の前の方達は、

一体どれほどの苦しみを


背負って生きてきたのかしら──…?



私が城の中で

幸せに暮らしている間、


どれほどの悲しみに

縛られてきたのかしら──…


ナタナエル王国だけじゃない、

スクルジア王国にもいるはず……


どうして、私は自分の事ばかり…っ

一国の王女として失格だわ..


そんな私を国民が

受け入れてくれるはずがない..


この状況は、当たり前。


だったら今、私がすべき事は──…



「ごめんなさい」

ソフィは、国民の前に深く頭を下げた。


国民は、そんなソフィを唖然と見つめた。

プライドの高そうな王族が

身分の低い自分たちに謝るなど


思いもしなかったのだ。
< 271 / 496 >

この作品をシェア

pagetop