-月の果てreplay story-
国民は、それでも納得がいかなさそうな
雰囲気を漂わせていた。
───…この目の前の方達は、
一体どれほどの苦しみを
背負って生きてきたのかしら──…?
私が城の中で
幸せに暮らしている間、
どれほどの悲しみに
縛られてきたのかしら──…
ナタナエル王国だけじゃない、
スクルジア王国にもいるはず……
どうして、私は自分の事ばかり…っ
一国の王女として失格だわ..
そんな私を国民が
受け入れてくれるはずがない..
この状況は、当たり前。
だったら今、私がすべき事は──…
「ごめんなさい」
ソフィは、国民の前に深く頭を下げた。
国民は、そんなソフィを唖然と見つめた。
プライドの高そうな王族が
身分の低い自分たちに謝るなど
思いもしなかったのだ。