-月の果てreplay story-


──…何の飾りも

余計な言い訳もいらないわ。


この目の前の国民が、

そんなものを必要としているとは


到底、思えないから──…



「ごめんなさい……っ」


ソフィは、深い悔やみを胸に

もう一度声に出して謝罪した。



───…ごめんなさい、

もっと早くに気付けていたなら─…


国の内情を理解していたなら──…


国民がここまで苦しめられる事は

なかったはずなのに──…


私は、なんて無知だったのかしら──…




「───…そんなんで、ほんまに許されると思ってんの?」


その独特のイントネーションにソフィは瞳を見開いた。
< 272 / 496 >

この作品をシェア

pagetop