-月の果てreplay story-
「──…なんでも、ないわ」
ソフィは、唇を噛み締めそう言った。
その様子を見たダネスは、
「ならいい」
と優しい微笑を浮かべた。
────…苦しい、
逃げ出してしまいたい───…
胸が千切れてしまいそうだわ。
私には、きっと殺せないもの。
だけど、
それでも殺らなくちゃ。
だって私は───…
ソフィは、キュッと瞼を強く閉じる。
彼を、あの人を見殺しになんて
出来ないから───…
ごめんなさい、キルト。
私は、貴方を選べない───…
〜安寧の証拠品・fin〜