-月の果てreplay story-
「──…でも、本当に王子なら。牢屋以外だと抜け出して参戦してきそうだぞ?」
トラキアは、持っていた大きなハサミを
軸にして体を支えた。
「……まぁ、一理ある」
デカルトは、うーんと唸りながら言った。
「だろ?」
トラキアは、ふぅと息をついた。
「でもな、トラキア。よく考えてみろ」
「は…?」
「ここでもし、俺たちが王子を放置して出掛けるとするだろ?そしたら..」
ここでデカルトは、重く息を吐いて
「牢にいる兵士を上手く丸め込んで、牢屋から出そうじゃないか?」
と言った。