-月の果てreplay story-
「ふーん?」
──…そんな花、花華殿に
いくらでもあるんだけどなぁ..
名前なんていちいち覚えてない。
トラキアは、うーんと頭を悩ませた。
「野原にしかね、咲かないんだって」
「へぇ……」
とトラキアは空返事を繰り返した。
「だから、私──…」
と不意にミルーラの表情が曇る、
その瞬間をトラキアは見逃さなかった。
───…妙な、胸騒ぎがする。
ほんとに友達なのか?
──…恋人、だったり──…
トラキアの表情が青ざめる。