-月の果てreplay story-


「あなたは?」

ソフィは、ジェオルドに視線を移す。



その視線に気がついたジェオルドは、


「俺も埋まってなかった」

と首を横に振った。



「……あなたも抉ったのかしら?」

ソフィは、恐る恐る訊ねる。


「できるわけないだろう?そんなおぞましいこと」

ジェオルドは、青ざめた表情で言った。



普通、そうよね……


ソフィも心の中で同意した。



「これだからナタナエルの王子は、不甲斐ない方ばかりなのですね」

スワローズは、ふぅと息をつく。


「それは聞き捨てならないな」


ジェオルドは、

蒼い瞳でスワローズを睨みつけた。



「2人共、私の前でケンカは止めて頂戴」

とソフィは、腕組みをしながら

ふんっと鼻を鳴らせて言った。
< 317 / 496 >

この作品をシェア

pagetop