-月の果てreplay story-
「「ふーん?」」
とイノセントは、ワクワクとしたように
身を乗り出した。
「じゃあ、話すわよ」
とソフィは、こほんと咳払いをしてから
「──…昔々、マッチを売り歩く貧しい少女がいました。ところが街の人達は少女に見向きもせず、どうしてもマッチは毎日売れ残ってしまいます。そうすると少女は、お父さんに殴られてしまうので、今日も少女はお父さんの言うとおりに寒いのを我慢してマッチを売り歩いていました。『マッチは入りませんかー?』『マッチを買ってくださーい』と少女は、一生懸命に街の人達に声をかけましたが誰もが少女を見て見ぬふりをしていました」
「「どうして、誰もマッチを買わないの?マッチくらい買ってあげたらいいのに」」
イノセントは、怒ったようにむすっとしてそう言った。