-月の果てreplay story-


そんなソフィを宥めるように

スワローズは、

優しい微笑みを浮かべながら


"ただしこれは、悪いことではありません"

と話を続ける。


"いいですか?──様。働かなければ、お金は手に入りません。すると家族のいる人は扶養出来ません。また、パン屋はパンを焼かなければ、肉屋は豚や牛を育てなければならないように。みんなそれぞれに仕事があって、みんな自分の仕事に一生懸命なんです。これは、この国にとってとても良いことです。だから、自分のことしか見えないのは悪いことではないんです"


"ただし、これが許されるのは一般市民の場合…"


スワローズの表情は厳しくなる。


"王族である─…いつか、この国の命運を担う貴方には許されません"


ソフィは、表情を曇らせて


"そんなの..'ソフィ'だけでいいじゃない。この国にとって、私はいらない子じゃないの"

と不機嫌に呟いた。
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