-月の果てreplay story-


「場所は?」

とキルトは、キルトの足の間で体を丸めて心地良さそうに眠るライアンを撫でながら訊ねた。


「………それは、言えません」


デカルトは、

意地悪くにっこりと微笑む。



「なんで?」

キルトは、むっと眉を潜めて訊ねる。


「前もトラキアと言いましたが、私が貴方に死んでほしくないからです」



……また、それか。


キルトは、うんざりとして

ライアンを撫でる手を止めた。



「なら、なんでそれをわざわざ言いに来たんだ」


……ここから出す気がないなら、

戦いに連れて行く気がないから、


言いに来なきゃいいのに..


「嫌がらせですよ」

デカルトは、にっこりと笑って言う。



………なるほど、


キルトは、げんなりとした

目でデカルトを見ていた。
< 358 / 496 >

この作品をシェア

pagetop