-月の果てreplay story-


「俺もい──…」

「待っていて下さい」


「いや、城にいるなん───…」

「いるんです、ソフィ様と」


次にキルトが負けじと

口を開こうとすると


「いいですね?守って下さいね」


とデカルトが先に厳しく

キルトをたしなめた。



「ソフィ様がいて下さるんですから、それで充分でしょう」


デカルトは、そう言いながら

牢屋からゆっくりと離れていく。



その一瞬のデカルトの悲しそうな表情を

キルトは、見逃さなかった。



「待て!!」


キルトは、思わず声を張り上げた。
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