-月の果てreplay story-


「──…どうして逢ってくれないのかしら!?」


ソフィは、両手を腰にあてがいフンッと鼻を鳴らした。



そこは、キルトの部屋の前。



「……それはですね、えーと..」


そんなソフィにデカルトは、

苦笑いを浮かべるだけだった。



ソフィが無理やり

キルトの部屋に入ろうとするのを


デカルトが止めているのだ。




「だって、可笑しいじゃないっ!新婚なのにこんな事って……」


ソフィは、わなわなと震えだした。



「大怪我してるじゃない…、切られてやせ我慢で式をあげたくせに..私、聞いたのよ?あのとき、キルトは麻酔を使ってたって」


「……はい」



「……パーティーにはさすがに顔を出さなかったけれど..」


「……はい」



「そのパーティーの時に襲われて強い薬をかがされて7日間意識が戻らなくて..」



「………」
< 37 / 496 >

この作品をシェア

pagetop