-月の果てreplay story-


「──…姫様?」


トントンとスワローズは、ソフィの部屋のドアを叩いた。


しかし、何の音も返っては来なかった。



キルトに怒鳴りつけた後、

ソフィは


部屋の中に籠もってしまったのだ。



「何があったのですか?」


スワローズは、

心配そうにドア越しに声をかけた。




それでも

シンとした空気に包まれていた。




スワローズが離れようと踵を返すと



「キルトは、気づいてしまったのかしら?」


よく通る声が室内から響いた。




「私の正体に..」


その紡ぎ出された言の葉は、

微かに震えていた。
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