-月の果てreplay story-


──…全てが、灰になる。


私の培ってきたモノが..



すべて───…



ダネスは、暗く閉ざされた室内を

暴行され腫れ上がった目蓋を


力無く上げながら見渡した。



手足に付けられた鉄球が妙に重々しい。



私の歌姫は、すぐに兄上の元へと

連れて行かれた。



私の隠れ家には私が案内した。



"───…リリス…ッ!!"


兄上はそう言って歓喜の声を上げた。



それでいいと思った。



私が居なくなれば、私の宝物は

生きてゆけないから…


私の可愛い娘は、

生かしておいてくれるのだろうか…?


それだけが、気掛かりだ。
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