-月の果てreplay story-
リリスは、手探りで
ダネスのもとへ歩み寄り
その唇にキスをした。
ダネスは、驚き唖然とした。
「私、こんなことになるまで自分の気持ちに気付かなかった」
リリスは、瞳の無い目から
ホロホロと涙を流す。
包帯は、湿っていた。
「私からあの人を奪った貴方のことが憎かった、許せなかった。なのに──…」
「いつの間にか、愛していたの。貴方達のことを、愛していたの──…どうして、気付かなかったのかしらね?」
ダネスは、瞳を見開いたまま
リリスのはにかむ表情を見つめた。
ふふっとイノセントは
満足そうに笑った。