-月の果てreplay story-
もう、私が"ソフィ"でいる
必要がないのなら──…
「キルト、耳を貸してちょうだい」
ソフィは真剣な翡翠色の瞳で言った。
キルトは、一瞬驚いてから
ソフィに耳を貸した。
すると、ソフィは
キルトの耳に手のひらをあてて
「私の本当の名前は───…」
と囁くようにして言った。
キルトは、
にっこりと優しく微笑んでから
「いい名前だね」
と金色の瞳を歪めて笑った。
「ありがとう」
と彼女も笑う。
月のヒカリは、仄かに輝き
2人のシルエットを優しく照らしていた。