-月の果てreplay story-


もう、私が"ソフィ"でいる

必要がないのなら──…



「キルト、耳を貸してちょうだい」

ソフィは真剣な翡翠色の瞳で言った。



キルトは、一瞬驚いてから

ソフィに耳を貸した。



すると、ソフィは

キルトの耳に手のひらをあてて



「私の本当の名前は───…」


と囁くようにして言った。



キルトは、

にっこりと優しく微笑んでから


「いい名前だね」

と金色の瞳を歪めて笑った。



「ありがとう」

と彼女も笑う。



月のヒカリは、仄かに輝き

2人のシルエットを優しく照らしていた。
< 491 / 496 >

この作品をシェア

pagetop