-月の果てreplay story-


───…その頃、


馬車は、ガタゴトと揺れていた。



「……姫様、何か召し上がられますか?」


スワローズは、バスケットを膝において

遠慮がちに訊ねた。




「いらないわ」


ソフィは、放心状態で外を見つめていた。



「分かりました」


スワローズは、

膝においたバスケットに視線を移した。



「…………」


ソフィは、

無言で変わらない景色を眺めていた。




「……姫様、」
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