2つの世界
「じゃぁな。麻莉。」

こいつ…麻莉のとこ強調して言いやがった!!

「ほら、麻莉って言ってんじゃん!?」
「げ…幻聴じゃん!?」
「はぁー?」

さすがに、幻聴はムリがあったか。

「ま、いいけど。あ、ねぇ麻莉。桜ちゃんの髪って本物だと思う?」
「は!?なんで!?」

まさか…カツラだってわかってる?

「なんかさー。カツラっぽくない?」

うわー。気づいてるよ…。

「そ…そう?」
「うん。今度会うときに確かめようと思ってんだ」
「へぇー。あはは…」

放課後。
「仲野さん!!あたし、エクステがいいです!!」
「なによ、いきなり」
「今ドキの子、わかるんですよ!!カツラとか!!」
「そうなの?」

仲野さんに今日の事を言ってみた。

「それは危ないかもしれないわねー。」
「ですよね!?」
「ってか、髪型は良くね?変えなくて。」

何を言い出すかと思えば…。

「なんでよ。」
「俺がメイクでわかんなくしてやるよ。」
「メイクだけじゃムリに決まってんじゃん!!」

「悠斗の腕ならいけるかも知れないわ。」
「仲野さん!?」

「メイクだけでも変わるのよ。それに、髪は巻いたりできるわ。」
「姉さんもこういってんじゃん!」
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