2つの世界
「麻莉、さっきの誰?」
「事務所の先輩。」
「ふーん。」

ふーんって…自分から聞いといて…。

「そこ座って。」
「うん。あ、波留さんが悠斗の事、かっこいいってさ。」
「興味ない。目、閉じて。」
「はいはい。」

ったく…。ちょっとは表情変えろっての…。

「よし、じゃ頑張れよー。」
「応援くらい、笑ってしてよね。」
「無理。」
「あんたねー!!」

悠斗に言い返そうとしたら、波留さんが来た。

「桜ちゃん。司会者が道路の渋滞で遅れるから、生放送だけど、一時間遅れるってー。」
「わかりました。教えてくれてありがとうございます。」
「いいよー♪」

一時間遅れるって聞いて、ちょっと安心。

「あ、桜ちゃん。あの子紹介してー?」
「悠斗ですか?」

悠斗は、メイクボックスの整理をしていた。

「悠斗ー。ちょっと…」
「なに?」
「波留さんが紹介してほしいって。」
「べつにいい。」
「先輩だから!!お願い!!」

しぶしぶ了解した、悠斗を連れて、波留さんのとこに。

「波留さん、専属メイクの悠斗です。」
「どうも、風間です…」
「夏目波留でーす!!」
「もー、悠斗笑いなよ!!」

波留さんの前でこのやろー。
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