2つの世界
「知るか。」
「ですよねー。」

渡されたのは、茶色い封筒だった。

「わざわざありがと。じゃぁね。」
「うん。あ、麻莉。」
「なに?」

「明日、いつもどうり頑張れよ。」

「あ…うん。」

びっくりした…。だって、いつもと違う優しい顔であんな事、言うんだもん。

「じゃぁな!!」

家に入ると、お母さんに
「あら、どーしたの?顔、赤いわよー?」
って言われた。

「いや、別に。お父さんは?」
「まだよー。あの人、なにやってんだろーね。」
「今の言い方、お父さんの仕事が何か知らないみたい。」
「知らないからね。仕方ないわ。」
「はぁ!?」

今、自分の夫の仕事、知らないって言ったよ…。

「…寝るわ。」
「おやすみー♪」

自分の両親にがっかりした…。まさか、母親が父親の仕事を知らないとは…。

ベットに転がると、茶色い封筒が見えた。

「そういえば、あの封筒なんだろ。」

開けてみると…
「仲野さんらしい。」

明日、気をつける事と【頑張りなさいよ】と書いたメモが入ってた。

それを見たら、両親の事は、気にならなくなって明日頑張ろうって思えた。

よし!!寝るか。
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