2つの世界
なんで、気づかなかったんだろ。優花はそんなこと、気にしない子だった。

「もういい。じゃぁね」

そう言って優花は帰った。
「悠斗…。あたし、最低だね。」
「…。」
「優花は、このこと言ったって、あたしをあたしとして見てくれたよね。」
「…。」
「なんか言ってよ…。」

気づいたら、泣いてた。どうしたら、いいんだろ…

「明日、名取と話すしかないじゃん。」

相変わらず無表情で、そう言った。でも…

「そうだよね。それしかないね。」
「名取なら、いつかわかってくれる。」
「そうだよね!」
「そんな気がする…。」
「あんたねー。」
「仲直り、できるといいな。」

また…あの優しい顔で言う…。こーゆーときに使わないでよ。

「あ、そう言えばなんで来たの?」
「あぁ、急に仕事が入ったから、探して来いって姉さんが…」
「はぁ!?まぢで!?はやく行こ!!」

明日、ちゃんと話そう。
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