2つの世界
「でも…。」
「次、最後の収録だろ?」
「うん。そうだけど。」
「最後も同じなら、俺があの人に聞くから。」
「悠斗にそこまでされなくても大丈夫だよ!」

意地を張って、ついこんな事言っちゃった…。

「悠斗、ごめ…」
「わかったよ。」

悠斗に悪いことしちゃったかな…。

でも!!波留さんは…そんなことしない。

収録は普通に始まる。

波留さん…。なんで邪魔するんですか?

〜っ!!もう、こうなったら意地でも波留さんより話してやる!!

「あた…「あたしもあります。そーゆーこと!」

これ…。最初の「あた…」があたしのセリフ。

決意も虚しく、結局あたしは目立てなかった。

「収録、終わりでーす。お疲れさまでしたー。」

終わっちゃった…。

「桜。これでもまだ信じねーの?」
「悠斗。…信じたくない。」

悠斗と話してたら、今一番聞きたくない声がした。

「桜ちゃん♪」
「波留さん…。」
「いくら桜ちゃんでも気づいたかな?」

え…。

「桜の邪魔をしてることですか?」
「悠斗!!」
「あはは、悠斗くんが気づいちゃった?」
「桜も気づいてます。」
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