2つの世界
「そっか〜!でも、桜ちゃんはお人好しだから信じてなかったでしょ?」
「今…信じました。」
「ほんっとバカだねー!」

波留さん?波留さんの雰囲気が変わった。怖い…。この迫力…。

「あたしね?桜ちゃんの事、大っ嫌い。まぢムカつく。」
「なんでですか?」
「ウザいの。ムダにいい人ぶったり、新人のクセにいきなり人気でたり。」
「それだけで、あたしの事嫌いなんですか!?」
「そうだよ。」

波留さんに、そこまで嫌われてるなんて思ってなかった…。

「あたしね?ムカつく奴はみんな消すの。」
「次のターゲットは、桜って訳?」
「悠斗くんするどい♪」

そんな…。

「あたしはね、ただ消すんじゃないの。そいつの積み上げたものとか、好きな人を全部奪うの。」

怖い…。この人、本気だ。何するかわかんない。

「ってことで、これからよろしくね?じゃ、また明日。」

波留さんがいなくなると、足の力が抜けた。

「麻莉!!」

悠斗に支えられて、倒れずにすんだ。

「あ…ごめん。行こっか。」
「お…おう。」

車に乗っても、ショックは消えなくて、ずっと黙ってた。悠斗もずっと黙ってた。
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